大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和31(オ)661 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由第一点(一)について。

原判決の確定するところによれば、被上告人は昭和二四年七月訴外Dより本件取

毀前の建物(以下旧建物という)を買受け、これを同訴外人に賃貸使用せしめてい

たところ、同訴外人は昭和二七年一月頃被上告人に無断で旧建物を解体し、その材

料をもつて本件建物(以下新建物という)を建築したものであるが、新建物は旧建

物と別個の建物であつて、両者間に同一性は認められないとし、進んで上告人は昭

和二七年九月二二日訴外Dとの間の売渡担保契約により新建物の所有権を取得した

と主張するが、旧建物を解体して動産となつた材料は依然被上告人の所有に属し、

右材料をもつて建築された新建物は民法二四六条により、原始的に被上告人の所有

に帰したもので、訴外Dは何等の権限を有するものでないと認定判示している。し

かして、被上告人が新建物の所有権を原始的に取得したとの原判断は正当であつて、

訴外Dは新建物に対しては全くの無権利者であるから、同人がこれを上告人に譲渡

したとしても、その譲渡はもとより無効であり、上告人は何等の権利を取得し得な

いものである。従つて被上告人は新建物につき所有権取得の登記がなくても、これ

を以て上告人に対抗し得るものというべく、上告人はその登記欠缺を主張する正当

の利益を有する第三者に該当しないことは明らかである、これと同趣旨に出た原判

決は正当であつて、論旨は理由がない。

同(二)について。

所論準備書面の記載によれば、上告人が未完成建物を動産として取得したことを

主張する趣旨には解せられないから、所論は原審で主張のなかつた事実を前提とし

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て原判決を非難するに帰し、採用できない。

なお、所論は、国税局の嘱託登記について云々するが、原判決の主文に関係のな

いことであるから、上告適法の理由とならない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

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